日常系ゾンビ漫画？零細ゾンビ回収会社に勤める青年と新人美女の日常を、福満しげゆきが独特の世界観で描く『就職難！！　ゾンビ取りガール』

　ゾンビという非日常的な題材を扱っているにもかかわらず、なんとなく所帯染みたリアリティのある世界観。
　もしかしたらこういう世界も有りかも......なんて気分にさせられてしまう、そんな一作である。

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本書『就職難！！　ゾンビ取りガール』を紹介中！！



　ゾンビもの数多しといえども、ゾンビの解釈や設定はそれぞれである。ベーシックに鈍足、頭を潰せば死ぬものもあれば、全速力で走ってきて噛み付くような、聞くからに絶望的な設定もある。そんななかで、本作『就職難！！　ゾンビ取りガール』は、ある種異様とも言える世界観を構築している。作者は『僕の小規模な生活』で知られる福満しげゆき先生なのであるが、本作にも氏のタッチが存分に発揮されている。

　舞台は日本。ぽつりぽつりとゾンビが出現するようになってきた世の中ではあるが、それほど害があるわけでもないので、日本人は生活の中でゾンビを受け入れている。主人公は零細ゾンビ回収会社に務める青年で、日々、動くゾンビや動かなくなったゾンビの回収をして過ごしている。彼にとって今一番の問題は、最近入ってきた若くて美人な女の子。なるべくお話しようと頑張りつつ、彼らはゾンビを回収していくのであった。

　何よりも目立つのが、そのゆるすぎる世界観。ゾンビといえば絶叫に集団パニックなんかを想起しがちであるが、本作ではそのようなことはあまりなく、ごくごく普通に街中をゾンビが闊歩し、その隣を...

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