もし人類が絶滅寸前になって、自分が最後の男女のどちらかだとしたら......。手塚治虫のファンタジー巨編『海のトリトン』が108ptから読める！

　このマンガはある意味、幼心のトラウマ作品になり得る。
　手塚作品ならではの倫理観でものすごいことをさらっと描いていて、子供には理解しきれない奥深さに、その時は恐怖心に近いものしか感じられなかった。

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本書『海のトリトン』を紹介中！！


　このマンガはある意味、筆者にとってのトラウマ作品だったりする。というのも、本当に小さな子供の頃にアニメ版『海のトリトン』を見て、とても好きだったから「これが原作なんだ」と思って読んでみたら、まるで違う話でショックを受けたのだ。

　そんな経験今では珍しいことではないけれど、当時は幼心にひどくショックだった。そして恐らく、手塚作品初体験だったのではなかったかと思うのだけれど、子供には理解しきれない奥深さにその時は恐怖心に近いものしか感じられなかった。

『海のトリトン』はギリシア神話を基礎的な設定に取り入れた、現代（とはいっても昭和だけど）の物語。神話の時代から続く、海の支配者ポセイドン族とトリトン族の戦いがあって、トリトン族はポセイドン族に滅ぼされようとしている。主人公トリトンは、海に面した岬の洞窟で人間に発見されたトリトン族の生き残りということに...

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