リアルか。ドラマか。生活保護制度をケースワーカーの視点から描いた意欲作が配信開始

『健康で文化的な最低限度の生活』
タイトルから推測できるとおり、そのものずばり「生活保護制度」を題材とした
ビッグコミックスピリッツの話題作が電子書籍版でも配信開始。

主人公の義経えみるは新卒公務員。人の話を聞いていなかったりぼーっとしたところのある、空気がよめなかったりする天然系。
そんな彼女が最初の配属辞令で福祉事務所に配属となるところから物語はスタートする。

「新米ケースワーカー」という知っているようで知らない職種の視点から
複雑な現在の生活保護制度のリアルを、エンターテイメントであるマンガ作品として
上手く表現している意欲作でもある。

◆健康で文化的な最低限度の生活　1巻


新聞を始めとする各種メディアも大注目の本作。
まだ1巻目ということもあり、一人あたり100世帯ともいわれる
様々な生活保護世帯の実態を薄く広く紹介しつつ主人公の成長を
描いているが、今後より複雑で困難なケースが登場した際に
この物語がどう深化していくか目が離せない。
各レビューをみる限りでも、現役のケースワーカーが購入し読者となり
感想を述べているケースも散見され、今後も新巻が発表される度に
あつい議論が交わされることになるだろう。


デリケートな問題といえば作者柏木ハルコは
女性の性欲について赤裸々に描いた作品「いぬ」で注目を浴びた作家でもある。
作者自身に興味がわいた方はこちらも一読されてはいかがだろう。

◆いぬ　1巻

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